ダイコンの太さに比べ葉が茂っているのは、肥料過多の可能性があります
ダイコンが育つためには、肥料も必要です。
肥料不足になると、根の生育が悪くなったり、肥大しにくくなることがあります。
せっかく大切に育てたのに、いざ収穫してみると、
ひょろひょろのダイコンに育っていた、という失敗談もよく聞きます。
けれど、肥料は与えれば与えるほど良い、というわけではありません。
むしろダイコンは、野菜の中ではそれほど肥料を多く必要としません。
そんなダイコンに大量の肥料を与えると、色々な不調が起こります。
ダイコン栽培中、肥料のやりすぎによって起こる症状とは、
どのようなものがあるのでしょうか。
[ダイコン 肥料のやりすぎ]
■肥料のやりすぎで起こる症状
ダイコンは、もともとあまり多肥にしなくても育つ野菜です。
ダイコン自身の吸肥力が強いため、少量の肥料でも、十分に育つことができるのです。
ところが、肥料を与えれば与えるほど、
長く太いダイコンが収穫できると勘違いされることがあります。
肥料のやりすぎは、ダイコンを生長させるどころか、不調を招きます。
肥料のやりすぎで起こる症状の中には、
一見すると肥料過多に見えないものもあります。
栽培中にダイコンの不調や異常が出たり、
収穫したダイコンに異変がある場合は、よく観察して原因を特定しましょう。
このように美しいダイコンを収穫したいですね
・根の割れ
肥料が多すぎると、根が割れるという症状が出やすくなります。
収穫した時、根が肥っているには肥っているけれど、表面が割れていることがあります。
これは、ダイコンが肥大する時に肥料が効きすぎているために、
肥大するスピードが早すぎるために起こります。
肥料は水分を含むことによって、効果を出します。
そのため、多肥プラス過湿によっても、根が割れるという症状が起こりやすくなります。
・地上部の過繁茂
肥料の中でも、特にチッソが多い状態になると、地上部の葉が過繁茂になります。
地上部が大きく育つこと自体は、悪いことではありません。
けれど、多肥によって地上部が大きく育っていると、
肝心の根が肥らず、細いまま収穫となるケースが多いのです。
また、チッソ過多になると、病害虫の発生も増えるので、良いことはありません。
股根は、土中の障害物や肥料の塊が原因です
・股根
ダイコン栽培で起こる失敗の代表といえば、股根です。
本来、1本の太い根がスラリと伸びますが、
何らかの障害物に根が当たることによって、根が複数に割れてしまいます。
股根の原因の多くは、土中の石などの障害物に根が当たったことですが、
実は肥料が原因で起こることもあるのです。
根の生育先に肥料の塊があると、そこで根傷みが起こります。
その後、根がなんとか修復したとしても、元のようにまっすぐ一本とはならず、
複数に割れて再成長します。
元肥を入れる時、種を播く直下に肥料をまとめて入れると、
股根になりやすいので注意しましょう。
・食味の悪化
肥料が多い状態で育てたダイコンは、股根で見た目が悪くなったり、
根が肥らないといった生育不良以外に、食味の悪化が見られる場合が多いです。
肥料が多い状態で育つことによって、繊維が硬くなり、
本来の歯切れの良い食感や、みずみずしさが失われます。
さらに、苦みやえぐみが出やすくなるため、生でも加熱調理しても、
ダイコンらしいおいしさを楽しむことができなくなります。
■参考
・ダイコン 地植えの栽培
・ダイコン プランターの栽培
・ダイコン 袋栽培
・ダイコンの収穫時期
・ダイコンの害虫
・ダイコン 太くならない理由は?
YRおでん大根
YRおでん大根は、ナカハラのたね(中原採種場)の品種で、
病害に強いので育てやすい秋冬ダイコンで、
名前の通り、おでんに向いている品種です。
[YRおでん大根]ナカハラのたね
ダイコンでかかりやすい病気として、
軟腐病、萎黄病などがありますが、
病害に対して耐病性を持っているので、
YRおでん大根は、ある程度は耐えます。
YRおでん大根は、秋から冬にかけて栽培できる品種で、
中原採種場では、プロ向け品種として紹介されている品種ですが、
一般家庭でも十分育てることができます。
中間地、暖地で9月~10月に種まきをし、11月~12月に収穫する作型に向いています。
葉の茂りは中程度、草姿は立性なので、密植することができます。
ダイコンの株間は25cm~30cmが理想とされています。
密植はそれよりも狭くし、株数が増える分、収穫量を増やすことができます。
たくさん収穫したい場合には密植をすると良いです。
漬け物用ならば、干すと甘みが増しパリパリした歯ごたえになります
ダイコンの見た目は、青首ダイコンに近いです。
首部分は淡い緑色で、栽培によっては色が薄かったり、濃くなったりします。
白い部分はツヤがあり、滑らかです。
尻までよく詰まり、ス入りも遅いです。
肉質はややしっかりとしていて、煮崩れしにくく、
おでんなどの煮物のほか、浅漬けにすると、しっかりとした食感を楽しめます。
ユズでお漬物に
■特徴
・尻づまりが良い淡い青首のダイコンです。
・根の長さは37cm~38cm、太さは7.5cmに揃います。
・耐病性があるので育てやすいです。
・密植栽培が可能で、密植すると収穫量を増やすことができます。
・肉質はやや硬めで食味は優れます。
・おでんなどの煮物の他、漬物にも向いています。
■栽培
・冷涼地では7月~8月中旬までに種まきをします。
・中間地や暖地で9月初旬~10月初旬まで種まきが可能です。
・元肥は完熟の堆肥と化成肥料を使います。
・種まきから発芽までは乾燥したらたっぷりと水やりをします。
・追肥は2回を目安とし、間引きのついでに与えます。
・地植え栽培の場合、マルチを使うとより育てやすくなります。
■参考
・ダイコン 地植えの栽培
・ダイコン プランターの栽培
・ダイコン 袋栽培
・ダイコンの収穫時期
・ダイコンの害虫
・ダイコン 太くならない理由は?
赤大根はアントシアニン色素をたくさん含んでいる赤ダイコンで、
赤いダイコン、紅大根とも呼ばれる分類に入る品種です。
加熱調理よりどちらかというとサラダや漬物向きで、彩りとして使えます。
一般的なダイコンより根長が短く、扱いやすいので、
地植えの他、プランターや鉢などの容器栽培でも育てられます。
作型は秋まき栽培に向いていて、暖地で8月末から9月末の種まき、
中間地で8月中旬から9月中旬の種まき、冷涼地は7月末から8月末までに種まきをします。
育て方はダイコンの秋まき栽培と同じように行えます。
収穫時期は暖地で10月下旬から12月上旬、
中間地で10月上中旬から11月末、冷涼地で9月末から10月末頃です。
表面は紅色をしていて、首部は特に赤色が濃く、それより下はピンク色をしています。
赤い色はアントシアニンが含まれていて、アントシアニンはポリフェノールの一種です。
強い抗酸化作用を持ち、花粉症の予防や、メタボリックシンドロームの予防、
眼精疲労などに効果を持っています。
断面は中央部分が赤く、周りは白色をしています。
表面が赤色で内部も赤色が入るタイプの赤ダイコンです。
用途はサラダや酢漬け、漬物に向いていて、加熱調理には不向きです。
漬物にする時に酢を使うような酢漬けにすると白肉部分が紅色に染まり、鮮やかです。
そのままでも断面が綺麗なので彩りとしても使えます。
ダイコンおろしにしても、色鮮やかになります。
[赤大根]
■特徴
・内部まで紅色に発色する赤ダイコンです。
・秋まき栽培に適しています。
・アントシアニンを多く含んでいて、強い抗酸化作用を持っています。
・首部は濃い紅色をしていて、それより下はやや薄い紅色、ピンク色に近いです。
・内部は中央部が紅色に染まり、断面が美しいです。
・生食や漬物向きで、酢漬けにすると内部の白肉部分が紅色に染まります。
■栽培
・一般的なダイコンに比べて根長が短いので、プランターや鉢でも育てられますが、
余裕を持って深めの容器を用意し、横にもやや太るので、株間を広めに確保します。
・種まきは各地方の秋まき栽培の育て方に沿って行います。
■参考
・ダイコン 地植えの栽培
・ダイコン プランターの栽培
・ダイコン 袋栽培
・ダイコンの収穫時期
・ダイコンの害虫
・ダイコン 太くならない理由は?
ダイコンの根は、このようにしっかり育って欲しいです
ダイコンは地植えで育てるイメージが強いですが、根が短い品種を選べば、
プランターや鉢を使った容器栽培でも育てることができます。
種を播いて芽が出ると、葉の枚数がどんどん増えていって、
生長が目に見えて分かるのも、人気の理由かもしれません。
そんなダイコンですが、栽培の目的は地下の根です。
よく肥った根が収穫できると、とても嬉しい気持ちになります。
ところが、地上部の葉ばかりが育ってしまい、
肝心の根があまり肥らない、という失敗も多いようです。
ダイコンの葉だけが伸びるのは、いったいなぜなのでしょうか。
[ダイコン 葉だけ 伸びる]
■ダイコン 葉だけ 伸びる
ダイコンをせっかく育てていても、葉ばかり伸びて根が生長しないと、
とても残念な気持ちになります。
ダイコンは本来、基本に沿って栽培していれば、自然と根が肥るものです。
ダイコンの葉だけが伸びる理由をまとめたので、
何か心当たりがないかチェックしてみてください。
11月にトウ立ちしたダイコン
・播き時が間違っている
ダイコンの主な種まきの時期は、春と秋です。
けれど、栽培する品種によって、播き時にも差があります。
春栽培に適した品種もあれば、秋栽培に適した品種もあり、
中には年中栽培が可能という品種もあります。
種まきのタイミングがその品種に合っていないと、根が肥る前にトウ立ちをしてしまい、
地上部ばかりが生長する原因となります。
チッソが多いと葉が繁茂し病害虫の被害が多くなります
・チッソ過多
ダイコンは、比較的肥料が少なくても育つ野菜ですが、
完全に肥料が切れるのも良くありません。
一般的には、栽培前の元肥や追肥によって、肥料分を補給します。
この時に使用する肥料によっては、地上部ばかりが生長する原因となります。
肥料には、チッソ・リン酸・カリという3要素が基本として含まれています。
チッソは茎葉を生長させ、リン酸は花や実を育て、
カリは根を丈夫にする要素といわれています。
この3つの要素の中で、チッソが多い状態で栽培を続けていると、
地上部ばかりが生長します。
チッソは葉を育てる肥料分のため、
根ではなく地上部の葉ばかりが育つのは当然のことです。
チッソが多いと葉の繁茂だけでなく、
病害虫の被害が出やすくなるといったデメリットもあるので、
与える肥料の種類や量には注意しましょう。
■参考
・ダイコン 地植えの栽培
・ダイコン プランターの栽培
・ダイコン 袋栽培
・ダイコンの収穫時期
・ダイコンの害虫
・ダイコン 太くならない理由は?
春こまち大根はトウ立ちが特に遅い春まきの青首ダイコンで、
肥大性が優れていて尻までよく詰まり、ス入りも遅いです。
春まき栽培専用の品種なので、基本の作型は春まき栽培になります。
作型は暖地や中間地栽培で2月と3月に種まきをして、4月から5月に収穫する作型、
この作型の場合はトンネルとマルチを使って栽培します。
基本はマルチを使って栽培しますが、
トンネルを使わない栽培の場合は暖かくなってから種まきを行います。
3月中旬から4月上旬頃までに種まきをし、
5月末から6月中に収穫する作型が栽培しやすいです。
冷涼地は4月中旬から5月末までの種まきで6月下旬から7月中に収穫する作型です。
青首ダイコンですが首部分は薄く、白に近いです。
首部から下は真っ白な肌をしていて、ツヤがあるので美しいです。
曲がり根の発生は少なく真っすぐになりやすいです。
重さは1.2kg前後で、根長は35cm~37cmとやや長く育ちます。
肥大性に優れているのでよく太り、尻部まで詰まるので可食部が多いです。
緻密な肉質でス入りも遅いため、食味にも優れていて、
生食から煮物まで幅広く使えます。
[春こまち大根]
■特徴
・青首部分が薄めな春まきダイコンです。
・トウ立ちが特に遅いです。
・尻までよく詰まり、肥大性が良いです。
・根長は35cm~37cmとやや長く、重さは1.2kg前後になります。
・根の曲がりは少なく、真っ直ぐに育ちます。
・肌はツヤがあり、白色が美しいです。
・生食から加熱調理まで、幅広い料理に利用できます。
■栽培
・地植えでも育ちますが、
マルチを使って栽培すると地温が確保しやすいので肥大しやすいです。
・種まきは暖地と中間地で2月初旬から3月初旬までに行います。
・冷涼地は暖かくなってからの4月中旬から5月末頃までに行います。
・暖地と中間地の2月種まきは寒く、地温と気温が確保しにくいので、
トンネルとマルチを使って栽培します。
・トウ立ちが遅く、ス入りも安定していますが、収穫が遅れすぎないように注意します。
■参考
・ダイコン 地植えの栽培
・ダイコン プランターの栽培
・ダイコン 袋栽培
・ダイコンの収穫時期
・ダイコンの害虫
・ダイコン 太くならない理由は?
ダイコンの収穫は家庭菜園の最高の喜びです
畑の土からまっすぐに伸びたダイコンを引き抜いたときの感動は、
一度体験すると忘れられず翌年も育ててしまいます。
ダイコンを上手に収穫するための方法やコツなどを、
分かりやすくご紹介します。
[ダイコンの収穫方法]
■ダイコンの収穫方法は?
1.ダイコンの収穫時期の見極め方
ダイコンは根が地面に隠れているので、
収穫時期を見定めるのが難しいかもしれません。
ダイコンには極早生種、早生種、中生種、晩生種があり、
それぞれ収穫時期が違います。
種の袋に書いてある収穫時期を目安に収穫時期を見定めましょう。
収穫時期が近付いてくると、ダイコンが土から顔を出します。
ダイコンがじゅうぶん成長すると、葉が横に広がっていきます。
これがダイコンの収穫時期が来たという合図です。
大きなダイコンは、ダイコンの両脇に足を広げて、
葉の根元部分を両手で持ち、引き抜きます
2.ダイコンの収穫方法
ダイコンは地面に深くもぐっていて、
収穫するのは大変な力がいるような気がします。
しかし、ダイコンはあまり力を入れて引き抜かなくても、
あっけなく地面から抜けてくれるものです。
収穫時期になったダイコンを見つけたら、
ダイコンの葉をまとめて根元を両手でつかみます。
そのまま、垂直方向に引き抜きます。
すると、まっすぐで真っ白なダイコンが地面から姿を現してくれます。
極早生ダイコンなどのミニダイコンであれば、
片手で簡単に引き抜くことができます。
しかし、桜島大根など大型のダイコンは、
収穫するときにとても強い力が必要です。
桜島大根は10kg以上の重さに育つ可能性もあるので、
腰を傷めないように注意しましょう。
収穫した大根は水で洗ってすぐに葉を切り落としましょう。
葉をつけたままにしておくと、養分がどんどん葉に吸い取られていき、
ダイコンの味や栄養価が落ちてしまいます。
大根の葉は炒めたりみそ汁の具にして食べることができます。
ダイコンを引き抜いてみてまだ小さかったら、
畑に埋め戻すと生長を続けるでしょうか?
残念ながら一度引き抜いたダイコンは、
埋め戻しても生長することはできません。
ダイコンは直根性の植物なので植え替えることが難しいのです。
収穫時期が早いダイコンでも味はよく、おいしくいただくことができます。
収穫時期を遅らせる必殺技があります
3.ダイコンの収穫時期を遅らせる方法
一度に種を播いたダイコンは、一斉に収穫時期を迎えます。
少人数の過程であれば、ダイコンが1本あっても食べきるのに時間がかかります。
一度に何本ものダイコンを収穫してしまうと、処分に困ってしまいます。
ダイコンは、収穫時期を迎えた後も長期間収穫しないでいると、
スが入ってしまします。
ダイコンの栄養分が葉に送られることによって、スが入ってしまうのです。
スが入ったダイコンは実がスポンジ状になり、おいしくありません。
ダイコンにスが入っているかどうかは、葉を一本折ってみるとわかります。
スが入ったダイコンは、葉の断面に空洞ができています。
どうしても収穫時期を遅らせたいときは、
畑に植えてある状態で大根の葉だけを切り落とします。
そうすると、葉にダイコンの根の栄養分が送られることは無くなり、
しばらくの間畑に置いておいてもスが入ることがありません。
■参考
・ダイコン 地植えの栽培
・ダイコン プランターの栽培
・ダイコン 袋栽培
・ミニダイコンの育て方
・ダイコンの害虫
・ダイコンの肥料
袋栽培のダイコン、太ってくれて美味しかったです!
ダイコンは色が白いためか、それほど肥料が必要ないと思われがちですが、
1本の根をあれだけ太く育てるのですから、適度な肥料は必要となります。
ただ、肥料食いと言われることもあるものの、
それほど多肥にしなくても良い野菜でもあります。
要は肥料切れしないようにすることが大切なのです。
葉を育てる時期、根を肥らせる時期に肥料が切れていると良く育たなくなります。
肥料切れさせないよう、上手に育てるための、
追肥のタイミングや方法、肥料の量をまとめました。
[ダイコン栽培 追肥]
*元肥と追肥については、ダイコンの肥料もご参照ください。
■地植えの場合
地植えでダイコンを育てる場合、土質によって保肥力が違ってきます。
砂地だと水分も肥料成分も流れやすいため、肥料切れが起きやすくなります。
田土のような粘土質の土だと、保水力が高く、肥料成分も留まりやすいです。
まず基本通りの追肥を行いますが、生長の具合を見ながら調節していきます。
生育途中の葉色が濃いなら、肥料が多い可能性が高いです。
反対に、葉色が薄かったり生育が遅い場合は、肥料が足りていない場合が多いです。
基本の追肥時期と量を覚えておき、
肥料が多いと感じた時は、追肥する時の肥料の量を減らします。
また、肥料が足りないと感じた時は、追肥する時の肥料を増やすか、
葉色が薄いと感じた時に、即効性のある液体肥料を与えて様子を見るのが良いです。
・1回目の追肥
1回目の追肥は、本葉が2枚~3枚くらいの頃に行います。
この頃、ちょうど間引きをする時期でもあるので、
間引きの作業と一緒に行うのが良いでしょう。
間引きといっても、まだ1株に絞らず、2株~3株残すことが多いので、
残った株の周りを囲むように肥料をまき、土と混ぜます。
この肥料と混ぜた土を、残した芽の株元に寄せておく(土寄せ)と、
風によって芽が倒れるのを防ぐことができます。
1か所につき、3g~5gほどの肥料を与えます。
・2回目の追肥
2回目の追肥は、本葉が5枚~6枚になる頃です。
この時もまた、間引きをする時期です。
この時の間引きでは、ようやく1本に絞ります。
今後は1本で育っていくので、1株ずつ回りに肥料をまかず、
畝に沿って肥料を与えるようにします。
畝の片側にクワなどを使って溝を作り、肥料を溝にまいてから土をかぶせます。
肥料の量は、1㎡あたり50g~60gが目安となります。
・3回目の追肥
3回目の追肥は、栽培している時期や品種により、不要になることもあります。
追肥のタイミングとしては、根が肥り始める頃なのですが、
根があまり伸びない品種の場合、2回目の追肥直後から根が肥り始めることがあります。
ミニダイコンなど栽培期間の短い品種の場合、
2回目の追肥で事足りることも多いので、様子を見ながら与えるのがコツです。
3回目の追肥は、2回目と反対側の畝の片側に溝を作り、肥料をまき土をかぶせます。
肥料の量や与え方は、2回目と同じです。
容器栽培でも深さが30㎝くらいある袋栽培なら大きなダイコンが収穫できます
■容器栽培の場合
プランターや鉢、袋などを使った容器栽培の場合、
市販の培養土を使っているのであれば、
保水力や保肥力が極端に偏るということはありません。
基本に沿って追肥を行います。
ただ、地植えと違うのは、土自体の保肥力には差がなくても、
水と一緒に肥料成分が流れ出てしまいやすいという点です。
ダイコンを栽培する容器の底には、必ず水抜きのための穴が存在します。
水を与える時、この水抜きの穴から水が流れ出るまでたっぷりと与えますが、
この時に、土に含まれている肥料成分も、一緒に出ていってしまうのです。
そのため、地植えと同じタイミング、同じ量の追肥を行っていても、
途中で肥料が足りなくなることがあります。
その場合は、即効性のある液体肥料を与え、様子を見ながら調整します。
・1回目の追肥
1回目の追肥は、本葉が2枚~3枚になった頃です。
地植えと同じように、間引きと同じタイミングで追肥を行います。
1株につき3g~5gを目安に肥料を与え、土と軽く混ぜてから土寄せをします。
・2回目の追肥
2回目の追肥も、地植えと同じです。
本葉が5枚~6枚の頃、間引きと一緒に追肥を行います。
肥料の量は1回目の追肥と同じです。
容器栽培の場合、容器の縁に沿って肥料を与え、土と混ぜて土寄せをします。
・3回目の追肥
3回目の追肥も、地植えと同じように与えます。
ただし、2回目の追肥の後、10日以上間があいてしまう場合は、
根の肥りと関係なく、2回目の追肥の10日後に追肥を行います。
容器栽培は肥料成分の流亡が地植えよりも激しいので、
追肥の間隔を長くすると、肥料切れの原因となります。
3回目の追肥の後、収穫までに時間がかかりそうな場合は、
10日ごとに同じ要領で追肥を行うか、
1週間ごとに液体肥料を与えて様子を見るようにします。
ダイコン専用肥料も便利です
■追肥のコツ
追肥は一度に多量を与えるよりも、コンスタントに追肥をして、
常に肥効が出るようにした方が、根の肥りも断然良くなります。
また、与える追肥は窒素が極端に多いものは避けるようにします。
窒素が多い肥料を与えると、地上部の葉ばかりが育ち、
肝心の根があまり肥らなまま収穫を迎えることになります。
■参考
・ダイコン 地植えの栽培
・ダイコン プランターの栽培
・ダイコン 袋栽培
・ダイコンの収穫時期
・ダイコンの害虫
・ダイコン 太くならない理由は?
おろし蕎麦、美味しいですね!
ダイコンと聞くと、どんな味を思い浮かべますか?
シャキッとした食感でみずみずしく、ほんのり辛みのあるダイコン。
ピリリとした味が薬味にぴったりなダイコン。
ほっこりとした甘みのある味と、
味がよくしみた汁がじゅわっと広がるおでんや煮物のダイコン。
人によって、想像するダイコンの味は様々だと思います。
けれど、ダイコンによって同じ調理方法でも、
甘かったり辛かったりすることってありませんか?
家庭菜園でダイコンを育ててみたけれど、辛すぎて食べるのに苦労したり、
逆に甘みが強くて物足りないというかたもいるでしょう。
では、ダイコンの辛みは何によって変わるのでしょうか。
家庭菜園のダイコンで風呂吹き大根♪
[ダイコン栽培 辛い]
■品種の特徴
ダイコンは品種によって、辛くなりやすい品種と、そうでない品種があります。
ダイコンにも品種がたくさんありますが、大きく分けると3つになります。
・青首ダイコン
現在主流になっているダイコンです。
スーパーなどで見かけるダイコンは、たいてい青首ダイコンです。
名前の通り、葉に近い部分が緑色になっています。
青首ダイコンは育てやすく、甘みが強く形が良いため、現在の主流となりました。
先端は辛みが強く、中心から葉に近い部分に近づくにつれ、甘みが強くなります。
先端は薬味として使い、中心は煮炊き物に、
葉に近い部分は甘みの強い大根おろしやサラダがお勧めです。
・白首ダイコン
日本では昔、青首ではなく白首ダイコンが主流でした。
各地方にある伝統野菜の中にも、
三浦大根や亀戸大根といった白首の品種がたくさんあります。
古くから栽培され、日本では長い間主流のダイコンとなっていましたが、
育てやすく味も食感も良い青首ダイコンに、主流の座を奪われました。
現在は生産量が少ないながらも、
伝統野菜を守る活動が盛んな地域で栽培されています。
青首ダイコンに比べると、辛みが強いのが特徴です。
・辛味ダイコン
辛味ダイコンは、薬味として楽しむために特化したダイコンの品種です。
名前の通り、青首や白首と比べものにならないほど辛いです。
辛味ダイコンのおろしを一口食べると、ツーンとした辛みを味わえます。
蕎麦の薬味としてはもちろん、辛みダイコンのおろしに醤油をかけ、
餅につけて食べるのもおいしいです。
辛味ダイコンは、とにかく辛いのが特徴です。
そのため、おろしやサラダなど、生で食べるのがお勧めです。
火を通した時の食味は、青首や白首に劣ります。
ひげ根跡がほぼ真っ直ぐで甘いダイコンでした
■栽培環境
同じダイコン品種でも、育てる環境によって、辛みの出方が異なります。
よく言われる環境は、土質が硬い場合、
ダイコンが大きく育ちにくい環境だった場合に、辛みが強く出ます。
ダイコンを収穫した時やスーパーでダイコンを購入する時、
ひげ根が出ていた部分をよく見てみます。
そうすると、まっすぐ縦にひげ根のあとが残っているものと、
斜めに残っているものとがあるのが分かります。
ひげ根がまっすぐに生えていたダイコンは、
土が柔らかく、根が伸びる時に抵抗がなかったということになります。
反対に斜めになっているものは、土が硬く、
根が伸びる時に強い抵抗があったと考えられます。
このことから、ひげ根のあとが斜めに残っているダイコンは、
辛みが強くなることが多いと言われています。
焼き魚には、辛いダイコンのほうが相性が良さそうです
■収穫のタイミング
ダイコンは盛んに生長している間、辛みが強くなるといわれています。
根は葉に近い部分ではなく、先端の細胞が生長します。
そのため、ダイコンは葉に近い部分より、先端の方が辛いのです。
株全体がまだ若く、まだ肥大する時期に収穫をした場合、
根全体が生長途中のため辛くなる傾向があります。
つまり、若どりをしたダイコンは、辛みが強くなるというわけです。
辛みが強い大根を好むのであれば、若どり気味に収穫するのがお勧めです。
ダイコンの辛みが苦手で、できるだけ甘みが強い方が良い場合は、
若どりせずじゅうぶん育てます。
ただし、あまり長い間畑にダイコンを置いたままにしておくと、
収穫適期を逃してスが入ることがあるので注意してくださいね。
■参考
・ダイコン 地植えの栽培
・ダイコン プランターの栽培
・ダイコン 袋栽培
・ダイコンの収穫時期
・ダイコンの害虫
・ダイコン 太くならない理由は?
■ダイコンとささみのとろっと煮
寒くなってくると、ほっとできる温かいものが食べたくなります。
ダイコンは冬が旬のため、煮物で温かくして食べることが多いです。
普段よく食べるダイコンの煮物といえば、
煮汁がさらっとしたタイプがほとんどですが、今回は片栗粉で煮汁にとろみをつけました。
しかも、ささみに片栗粉をまぶして煮るので、自然ととろみがつき、
しかもささみの水分が抜けにくくなるので、しっとりと柔らかい食感が持続します。
ダイコンの淡泊な味わい、出汁の風味、
ささみの柔らかい肉感にニンジンのほんのりとした甘さが、
どこまでも疲れた心と体を癒してくれます。
風邪ぎみの時や、少し食欲がない時は、
ご飯やゆでたうどんにこのとろっと煮をかければ、それだけで食べやすい食事が完成します。
●材料
ダイコン……300g
ニンジン……1本
ささみ……3本~5本
だし汁……500gg
酒……大さじ1
淡口醤油……大さじ1
みりん……大さじ1
砂糖……大さじ1/2
片栗粉……大さじ2
●作り方
1.ダイコンは皮を剥き、1cmくらいの幅のイチョウ切りにします。
ニンジンは皮を剥き、1cm幅くらいの半月切りにします。
ささみは一口サイズのぶつ切りにして、ビニール袋に片栗粉と一緒に入れて、
ささみの表面にまんべんなく片栗粉がつくように袋を振っておきます。
だし汁が沸騰したら、
フタをした状態でふつふつと沸いた状態を保てる程度の火加減にし、10分煮込みます。
時間が経ったら砂糖・みりん・淡口醤油・ニンジンを加え、さらに5分煮ます。
3.ニンジンに火が通ったら、フタをとって火を強めます。
沸騰状態を保った状態で、片栗粉をまぶしたささみを鍋に1切れずつ入れます。
ささみをすべて入れたら、全体をざっくりと混ぜます。
煮汁が沸騰してきたら、沸騰状態を保てる程度の火加減にして、5分ほど煮ます。
ささみに火が通ったら、出来上がりです。
●ポイント
ささみを加えると、片栗粉が煮汁にとけてとろみがつきます。
とろみがついた後は焦げやすくなるので、
煮ている間も時々底から混ぜるようにします。
■参考
・ダイコン 地植えの栽培
・ダイコン プランターの栽培
・ダイコン 袋栽培
・ダイコンの収穫時期
・ダイコンの害虫
・ダイコン 太くならない理由は?
ダイコンは実が地面の中に隠れているので、
収穫時期を見極めるのが難しいですね
収穫が早すぎると思いのほか小さくて残念な気持ちになります。
大きくなるのを期待して収穫時期が遅れると、
ダイコンの中にスが入って味が落ちてしまいます。
味が良くて大きな瑞々しいダイコンを収穫するための、
見極め方法、タイミングをご紹介します。
■ダイコンの収穫時期
1.品種による収穫時期の違い
ダイコンには、様々な品種があり、それぞれ収穫時期が違います。
ダイコンの品種は極早生種、早生種、中生種、晩生種に分けられます。
極早生種は、種を播いてから20日から30日で収穫時期になります。
はつか大根や、極早生ミニ30日ダイコンなどがあります。
早生種のダイコンは種を播いてから60日が収穫時期になります。
一般的によく栽培される青首ダイコンがこの早生種になります。
中生種はもう少し収穫までに時間がかかり、
種まき後70日~80日くらいで収穫します。
晩生種になると、収穫までは種を播いてから90日以上かかります。
種の袋に収穫までの日数が書かれているので、目安にするとよいです。
ダイコンの収穫時期
2.収穫時期の見定め方
収穫時期が近付くと、ダイコンのみが地面から顔を出します。
ダイコンの種に書いてある収穫時期と、
生長する大きさを参考に収穫時期を見定めていきます。
青首ダイコンであれば、地面から出ている首の直径が6~7㎝になります。
地面から出ているダイコンが充分大きくなり、
葉が横に広がったら収穫時期だと考えてよいでしょう。
青首ダイコンは地表部分が大きくなり葉が広がって来れば収穫時期です
3.収穫時期をずらす方法
ダイコンの収穫時期が一度に訪れてしまうと、
どうやって食べたらいいか困ってしまいます。
秋まきのダイコンであれば、
種を播く時期を少しずらすと収穫までの日数がずれてくれるので、
一度に取れすぎて困るということを防ぐことができます。
ダイコンの種を播くときに、5日ずつずらして種を播きます。
遅い時期に種を播いたダイコンは、
気温が低い中で生長するため生長の速度がゆっくりになり、
収穫までに時間がかかります。
晩生種の三浦ダイコンであれば、
種を播くのに最適な時期に播いたダイコンは90日で収穫できます。
5日遅れて播いたダイコンは、収穫まで105日間かかります。
15日遅れて種を播くと、収穫までの期間は150日かかります。
この現象を上手に利用すると、
長い期間おいしい大根を味わうことができます。
寒さに当たったダイコンは甘みが増します
4.収穫時期が遅れると?
ダイコンの収穫時期が遅れると、
ダイコンに品質が悪くなり、食べられなくなってしまいます。
収穫時期が遅れて起こる現象には、
スが入る、とう立ちする、内側から腐るというものがあります。
・スが入る
根の成長が止まると、
根に蓄えられている栄養分が葉に送られていくようになります。
そうすると、ダイコンの実がスポンジ状にスカスカになってしまいます。
・とう立ちする
ダイコンの収穫が遅れるとやがて花芽ができてきます。
この現象をとう立ちと言います。
とう立ちした大根は固くなり、食べることができません。
花は白くてとても可憐です。
花を楽しんだ後、種を取るのも一つの良い方法です。
・内側から腐る
収穫時期が遅れたうえ、
気温が高くなるとダイコンの内部が腐っていきます。
特に春播きダイコンによくおこる現象です。
■参考
・ダイコン 地植えの栽培
・ダイコン プランターの栽培
・ダイコン 袋栽培
・ミニダイコンの育て方
・ダイコンの害虫
・ダイコンの肥料