桜の砦
桜の砦
桜の砦(さくらのとりで)は、ナント種苗株式会社が販売している、ダイコン品種です。
外見は理想的なダイコンそのもので、
まっすぐスラリと伸びた根は38cm、直径は8cmほどになります。
標準的な状態に育つと、1.2kg前後で、1本でたっぷりと料理に使えます。
どちらかというと青首系の品種ですが、肩の色はそれほど強くは入りません。
うっすらと緑色になる程度で、そこから淡いグラデーションで白色になります。
皮を剥いた内側も真っ白なので、表面も内側も、とても美しいダイコンです。
桜の砦は、尻づまりが良く、しかも中盤が変に肥らず、
肩から尻まで、スラリとした見目の良いダイコンに育ちます。
しかも、形の揃いも良いので秀品率が高く、農家にとっても魅力的な品種です。
食味も良好で、みずみずしく、サラダやダイコンおろし、
漬物などの生食にも向きますし、
味のしみこみも良いので、煮炊き物にもお勧めです。
どのような料理にも、オールマイティーに使えます。
葉は立性でしかもコンパクトなので、密植栽培にも適します。
葉がコンパクトなことを生かし、露地栽培はもちろん、トンネル栽培も可能です。
葉自体にも耐寒性があるので、冬の間もしっかりと光合成してくれます。
生育スピードはそれほど速くなく、じっくりと生長していきます。
しかも、極晩抽性でス入りも遅いので、収穫作業に追われにくいです。
ひげ根の発生量が少ない分、収穫時にひっかかりにくく、すんなりと引き抜けます。
ダイコン栽培では、収穫作業が一時に集中するため、
引き抜きにくいダイコンは収穫に大きな労力が必要となります。
その点、桜の砦は引き抜きやすいため、収穫作業も効率的に進められます。
桜の砦は春どり専門の品種で、栽培地も中間地~暖地に限定され、
寒地では栽培がお勧めされていません。
とても寒さに強く、冬の間も生長が可能です。
ただ、いくら寒さに強いといっても、寒地のような場所では、
寒さによって葉などの大切な器官が傷みやすくなるため、栽培には適していません。
その分、中間地~暖地での栽培であれば、その性質を存分に生かすことができます。
低温伸長性と低温肥大性の両方を持っているため、
低温期でも土の中でしっかりと根が生長し、肥っていきます。
しかも、寒さや乾燥による皮むけや首割れといった症状も少なく、
横縞症にも強いので、キレイな状態での収穫が期待できます。
春どりの中でも播種可能期間が長く、10月~1月頃まで種まきができます。
初期成育時には、ある程度の温度が必要となるため、
路地栽培なら10月~11月までに播種した方が良いでしょう。
また、ハウスやトンネルでの栽培であれば、12月~1月の播種がお勧めです。
[桜の砦]ナント種苗株式会社
C)家庭de菜園~うぇぶたねやさん~
■特徴
・根の長さは38cm、直径は8cmほどになり、重さは1.2kgと立派なサイズの
ダイコン品種です。
・葉は濃緑、根は肩が淡い緑色になる青首系で、そこから下は純白です。
・肌のきめが細かく、皮むけなどの肌荒れもしにくいので、純白が美しいです。
・尻づまり良好で中太りせず、肩から尻にかけてスラリとして、スタイル抜群です。
・みずみずしく食味が良いので、生食から煮炊き物まで、幅広く使えます。
・耐寒性が強く、極晩抽性、低温伸長性、低温肥大性と、春どりダイコンに欲しい性質が
目白押しの品種です。
・寒さには強いものの、寒地での栽培には向かず、中間地~暖地での栽培に向きます。
・葉は立性でコンパクトに育つので、露地での密植栽培やトンネル栽培が可能です。
・ひげ根が少なく、収穫の時にすんなり抜け、収穫作業の労力が軽くなります。
・皮むけや首割れなどの症状が少なく、肌あれもしにくいので、秀品率が高いです。
・10月~1月まで播種可能で、露地なら10月~11月、トンネルやハウスなら12月~
1月が適しています。
・冬の寒い時期でもきちんと生育し、しかも急激な伸長や肥大もすくなく、じっくりと
良いダイコンに育ちます。
■栽培
・基本の育て方は、一般のダイコンと同じです。
・根が長く伸びるので、土作りの段階で深く掘り返し、石や他の植物の根などは取り除き、
土や堆肥などの塊はくずしておきます。
・排水性の悪い畑では、高畝にして排水を促します。
■参考
・ダイコン 地植えの栽培
・ダイコン プランターの栽培
・ダイコン 袋栽培
・ダイコンの収穫時期
・ダイコンの害虫
・ダイコン 太くならない理由は?