京むらさき
京むらさき
京むらさきは、丸種株式会社が改良して作った、ダイコンの品種です。
一般的なダイコンとは、見た目が少し違っている京むらさきの特徴を、まとめました。
京むらさきは、根の長さが15cm~18cmほどと、
一般的なダイコンに比べると短いです。
太さもそれほどではなく、直径が6cm~7cmほどになります。
そのため、全体的にスラリとした形をしているのが特徴です。
けれど、特徴的なのは、形だけではありません。
京むらさきは、名前の通り表皮が紫色になります。
赤っぽい紫ではなく、やや青みがかった紫をしています。
表皮はつるりとしていてなめらかで、ツヤもあります。
色は均一ではなく、肩の方が色が濃く、下にいくほど色が薄くなります。
紫色になっているのは、外皮だけではありません。
京むらさきは肉色も、紫色をしているのが特徴です。
肉色も表皮と同じく、色が均一には入りません。
中心部分の方が色濃く、外側に向かって色が薄くなっています。
色が均一でないため、個体差や切り方によって、
切り口に出る色のグラデーションが変わります。
色だけでなく、色差によっても個性が出ます。
肉質はみずみずしく、特に生食に向いています。
サラダやスティックなら色を生かして彩りとしても活躍できますし、
ダイコンおろしにすれば、少し珍しい色のおろしになります。
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また、漬物にも適しているので、色鮮やかな漬物に仕上げることができます。
京むらさきに向く作型は、春まきと秋まきです。
春まき栽培の場合、トンネルやハウスを利用すれば、
中間地~暖地では2月頃から播種が可能です。
基本的には育てやすい性質で、根も短いのでプランターなどの容器栽培も可能です。
家庭菜園でも育てやすく、失敗も少ないです。
ただ、品種の性質上、全体の数パーセントは、表皮が白っぽくなる個体が出ます。
白っぽい個体であっても、食べる分には問題ありませんが、
本来よりも色がかなり薄くなるので、せっかくの美しい紫を楽しめません。
種を播く時は点まきが基本になります。
この時、1か所に3粒以上の種を播いておくことで、複数の芽が出てきます。
発芽した芽の軸は、赤っぽくなるのが普通ですが、中には緑になるものもあります。
間引き作業の時、この軸が緑の株を抜くようにすると、紫の株を残しやすくできます。
表皮が紫の株は表皮も紫になることが多く、
軸が緑のものは表皮の色が白くなるものが多いのです。
葉はコンパクトに育つので、株間はやや狭めでもうまく育ちます。
目安としては、株間20cm条間20cmがお勧めです。
播種から収穫までかかる日数は、だいたい50日ほどです。
収穫までの日数が短く、根もそれほど長く伸びないので、施肥量は加減します。
一般的な青首系ダイコンを栽培する時よりも、2/3くらいに肥料を減らすと、
多肥にならず育てられます。
[京むらさき]丸種株式会社
■特徴
・根の長さが15cm~18cm、直径が6cm~7cmくらいのミディダイコンです。
・根は細長く、スラリとした印象です。
・根は表面が紫色をしていて、肉色も紫色です。
・葉はコンパクトで、軸色が表皮と同じ紫色、柔らかい葉の部分も、
紫が少し混じった緑色をしています。
・色の入り方は均一ではなく、表皮は肩部分の色が濃く、下に向かって薄くなっていき、
肉色も中心の色が濃く、外側に向かって薄くなります。
・肉質はみずみずしく、緻密で歯ざわりが良いので、生食に向いています。
・サラダ、スティック、ダイコンおろし、漬物などに使え、
色を生かした料理もお勧めです。
・春と秋の栽培に向いた品種です。
・品種の性質上、全体の数パーセントに表皮に色がつかない株が出ます。
■栽培
・基本の育て方は、一般のダイコンと同じです。
・根も短く葉もコンパクトなので、密植栽培が可能で、
株間と条間どちらも20cmが目安になります。
・種まきの時、点まきで1か所に3粒以上の種を播き、
複数の発芽した芽から赤軸を選んで残すことで、
表皮に色がのらない株を取り除くことができます。
・収穫まで50日ほどと短めなので、
施肥量は一般的な青首系ダイコンの2/3程度に抑えます。
■参考
・ダイコン 地植えの栽培
・ダイコン プランターの栽培
・ダイコン 袋栽培
・ダイコンの収穫時期
・ダイコンの害虫
・ダイコン 太くならない理由は?