春仕立
春仕立
春仕立は、株式会社タカヤマシードが改良して作った、ダイコンの品種です。
名前通り、春収穫がメインとなる春仕立には、どのような特徴があるのでしょうか。
ダイコンは冷涼な気候を好むため、秋まき栽培をするものが多いです。
春仕立も秋まき栽培がメインとなる品種ですが、収穫は冬ではまく春がメインになります。
ダイコンの場合、春はトウ立ちやス入りといった品質が落ちる現象が発生しやすく、
春どりは難しいといわれています。
けれど、春仕立は春どりに適した品種のため、
秋に播いて春に収穫が夢ではないのです。
見た目は、根の長さが38cmほど、太さも7cm~8cmと標準的です。
青首系の品種のため、肩部分は全体の半分弱ほど緑色に染まります。
明るいグリーンと美しい白色のバイカラーなので、見目が非常に良いです。
肌もキレイで荒れが少ない上に、サイズや形が揃いやすいので、秀品率も高いです。
肉色も白色で肉質も良いので、食味も上々です。
ダイコンおろしやサラダ、スティックなどでは、みずみずしい食感が楽しめますし、
漬物にしても歯ごたえがあり、おいしいです。
また、煮物などの加熱調理をしてもおいしいダイコンなので、
幅広い料理に使えます。
サラダにも煮物にも美味しい春仕立て
栽培もしやすいので、家庭菜園から出荷用にプロの農家でも育てられます。
春収穫のダイコンが難しいのは、
気温の上昇とともにトウ立ちやス入りが発生しやすいためです。
春仕立は晩抽性が強く、ス入りも遅いので在團性が高いです。
トウ立ちやス入りが遅いということは、良い状態での収穫が可能ということになります。
おいしいダイコンの状態が長く続くので、安心して春まで栽培できます。
葉は濃緑で立性、しかも丈が短めなので扱いやすく、葉がちもしにくいです。
地上部の葉が大きくなりすぎると、倒伏して根が曲がる原因にもなりますが、
春仕立はそういったことが起きにくいです。
適した作型は、秋に播いて春に収穫する作型が基本となりますが、
地域によって適した作型が少し変わります。
中間地の場合は、9月下旬~11月下旬の播種が可能ですが、
これに加えて3月中旬~4月中旬の春まきも可能です。
11月の播種や春まき栽培では、
トンネルかハウスでマルチを併用した栽培がお勧めです。
暖地の場合は、10月~12月下旬と、播種適期の期間が長いです。
春仕立には低温伸長性もありますが、暖地といっても真冬はやはり寒さが厳しくなるので、
11月以降の播種ではトンネルとマルチを併用して栽培します。
冬の寒さが厳しい寒地では、秋まき栽培は向きません。
その代わり、4月中旬~6月中旬に播種する春まき栽培が可能です。
4月中は寒さが残っていることが多いのですが、十分な気温が確保できるまでは、
マルチとトンネルを併用した栽培がお勧めです。
[春仕立]株式会社タカヤマシード
■特徴
・秋まき春収穫ができるダイコン品種です。
・根の長さは38cm、太さも7cm~8cmと標準的で、
総太りで形やサイズが揃いやすく、秀品率が高いです。
・青首系品種なので肩から中腹にかけて明るいグリーンに染まります。
・グリーンに染まった部分意外は純白で、緑と白のバイカラーが美しいです。
・美肌で荒れが少なく、きめ細かで見栄えが良いです。
・皮を剥いた肉色は白色で、肉質も良く食味も上々です。
・サラダやスティック、ダイコンおろしなどではみずみずしい食感が楽しめ、
漬物もおいしく作れます。
・煮物や汁物の実など、加熱調理でもおいしく食べられます。
・育てやすいので家庭菜園にもお勧めです。
・晩抽性が強くス入りも遅いので、在團性が高いです。
・トウ立ちやス入りが遅いので、春に収穫しても良い状態のダイコンが育ちます。
・葉は濃緑で短く、コンパクトの草姿です。
・葉がコンパクトなので倒伏が少なく、根曲がりの発生も少ないです。
・中間地では9月下旬~11月下旬の秋まきと、
3月中旬~4月中旬の春まきも可能です。
・暖地では10月~12月下旬が種まきの適期です。
・寒地では4月中旬~6月中旬の春まきが適した作型となります。
■栽培
・基本の育て方は、一般のダイコンと同じです。
・中間地、暖地は11月以降の播種、
寒地では4月中の播種ではマルチとトンネルを併用した栽培がお勧めです。
■参考
・ダイコン 地植えの栽培
・ダイコン プランターの栽培
・ダイコン 袋栽培
・ダイコンの収穫時期
・ダイコンの害虫
・ダイコン 太くならない理由は?