大根 間引きしない
一般に、本葉が2枚程度の頃に、最初の間引きをします
ダイコンは、冬野菜のイメージが強いですが、
春にタネまきをして栽培するダイコンも、冬とはまた違ったおいしさがあって人気です。
根が地中深くまで伸びるため、家庭菜園では難しいと思われがちですが、
自分に合った品種を選ぶことで、かなり育てやすくなります。
根が短い品種を選べば、プランターなどの容器栽培も可能になります。
そんなダイコンを育てる時、不可欠なのが間引きという作業です。
ダイコン栽培では欠かせない作業ですが、間引きしないで育てられるのでしょうか。
[大根 間引きしない]
■ダイコンの間引き
間引きとは、株間が狭くなったところの株を減らし、
株間を確保するための作業です。
ダイコン栽培では、種まきの後に発芽すると、
葉と葉が触れ合うようになることがほとんどです。
そのまま放っておくと、株間が狭すぎてしまい、地上部の葉も育ちにくくなりますし、
何より地下の根の生育も悪くなります。
ダイコンは根が要になる野菜なので、移植を行うことはほぼありません。
代わりに、一か所に複数の種を播いて、
生長に合わせて間引きを行い、株間を確保します。
一般的には、点まきと呼ばれる播き方をすることが多く、
一か所に4粒~5粒の種を播きます。
双葉が出た後に本葉が出ますが、本葉が2枚程度の頃に、最初の間引きをします。
この時は、3本残します。
次に本葉が5枚~6枚くらいの頃に間引きます。
この時に、1本まで減らします。
間引きした苗は、葉の形がいびつだったりするものの、食べられなくはありません。
特に本葉が5枚~6枚になったものは、ダイコン葉として、
汁物の実や炒め物にも使えて便利です。
栄養も豊富なので、食べて損はありません。
一回目の間引きの後のようす
■ダイコン 間引きしない
ダイコン栽培で、どれくらい間引きが重要な作業かわかっていても、
やはり栽培している株数が増えれば増えるほど、間引きの作業は面倒です。
できれば間引きせずに育てられれば良いのですが、実はそうもいかないのです。
ダイコンを間引きせずに栽培できない理由は、大きく2つです。
1つは、間引きせず株間が狭い状態では、生育不良になるということです。
点まきで種まきをした時、1か所に複数の種を播きます。
この時、種と種の間には隙間を作りますが、隙間自体はそれほど広くありません。
せいぜい1cm~2cmくらいのものです。
ダイコンが生長した時、株間2cmではとうてい足りません。
オーソドックスなダイコンであれば、根の直径は8cm以上になります。
株間2cmのままでは、根と根がぶつかってしまい、うまく肥れません。
それ以前に、地上部の葉も重なり合いすぎてしまい、
病害虫の原因になることもあります。
では、最初から株間を広くとって栽培すれば良いと思われるかもしれませんが、
そうもいかないのが、もう1つの理由です。
発芽したばかりの小さなうちは、株間が狭い方が生育が良くなります
ダイコンが生長してきた時には、きちんと株間をとっておく必要がありますが、
発芽したばかりの小さなうちは、むしろ株間が狭い方が生育が良くなる傾向にあります。
とても不思議なことですが、株間を少々狭くしておくことによって、
隣り合った株が競い合いをして、生育が促されるというのです。
つまり、最初は株間をやや狭くした状態で育て、
ある一定の時期からは株間を確保した状態で育てることが、
ダイコンを育てるコツなのです。
こう考えると、間引きを何度かに分けて行うのも納得です。
混んだ状態のままで育てても、生育に問題が起きます
また、株間をかなりとった状態で種まきを行うと、
発芽不良が起こった場合に、欠株が多く発生し、歯抜け状態となります。
もちろん、種まき適期内であれば、播き直しも可能ではありますが、
播き直し自体、あまり良い状態とはいえません。
最初から1か所に複数の種を播いておけば、発芽不良が起こったとしても、
いくらかは発芽する可能性が高くなります。
そうなれば、発芽した分を育てることによって、欠株の発生も抑えられ、
播き直しによって生育が不揃いになるのも防ぐことができます。
間引きは少々手間のかかる作業ではありますが、
ダイコンを健全に育てるためには、必要な作業といえます。
■参考
・ダイコン 地植えの栽培
・ダイコン プランターの栽培
・ダイコン 袋栽培
・ダイコンの収穫時期
・ダイコンの害虫
・ダイコン 太くならない理由は?