ハクサイダニ

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ハクサイダニ

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ダイコン栽培で時々あるのが、ハクサイダニによる被害です。
家庭菜園初心者の方や、今まで被害にあったことがない方は、
あまり耳慣れない名前でしょう。

 

ハクサイダニは通常の害虫とは少し違った生態サイクルを持っているため、
被害が大きくなってから気づくことも多い害虫です。

 

ハクサイダニとは、どのような特徴を持つ害虫なのでしょうか。

 

 

[ハクサイダニ]

 

 

■害虫について

 

ハクサイダニは、その名の通りダニの仲間です。
体は小さく、体長が1mmほどとアブラムシと同じくらいです。

 

姿もアブラムシによく似ていて、
赤色を含んだ黒っぽい体に、赤い足を持っています。

 

アブラムシの中でも、特にモモアカアブラムシによく似ているため、
発生時に混同されることが多いようです。

 

見分け方としては、アブラムシが密に集まってあまり動かずその場で吸汁し、
葉の裏に多く発生するのに対し、
ハクサイダニの場合は、個体と個体が少し距離を作っているため、
アブラムシほど密な印象がない上に、じっと見ているとアブラムシよりも動きがあります。

 

また、葉の裏だけでなく、葉の表面でも活動する点でも見分けることができます。

 

・発生時期
発生時期も、アブラムシは春と秋に多く発生するのに対し、
ハクサイダニは晩秋から春にかけて、特に厳寒期の発生が多くなる点が異なっています。

 

多くの害虫が、春から秋を活動期間としているのに対し、
ハクサイダニは11月~4月頃までを活動期間としています。

暑い夏の間は卵の状態で過ごし、涼しくなってくる頃に孵化します。

 

幼虫も成虫も植物の汁を吸って生活しますが、
食草は特に決まっておらず、ハクサイダニという名前がついているものの、
ダイコンやハクサイをはじめとして、ホウレンソウやその他雑草まで吸汁します。

 

食草が広いため、どこでも発生の可能性はあるものの、
アブラムシほど広い範囲で見られることは少なく、
年や場所によって局地的に発生することが多いです。

 

夏越しした卵は、10月~11月頃に孵化し、しばらくすると成虫にまで生長します。

ハクサイダニは単為生殖のため、雄なしでの繁殖が可能なので、
世代交代するたびに数を増やしていきます。

 

その結果、1月~2月の厳寒期と呼ばれる時期に数が爆発的に増え、
被害が大きくなって気付くこともあります。

 

 

■被害の出方

 

ハクサイダニは、植物の葉の汁を吸うタイプの害虫です。
しかも大きく展開した葉だけではなく、芯部分の芽にも寄生して吸汁します。

 

芯部分の芽を吸汁されると、生長点が委縮してしまい、
その後の生育に大きく影響します。

 

状況によっては、そのまま株が枯れてしまうことも少なくないため、
予防と早期発見につとめる必要があります。

 

吸汁された葉は、色が抜けたように薄い黄色や白っぽい色になり、
徐々に枯れていきます。

 

 

■防除方法

 

できるだけ予防して、発生を防ぎたいところですが、
いつどのタイミングで発生するのか予想するのは難しいものです。

 

ハクサイダニはダイコンの他にも、様々な植物につく害虫のため、
周りの植物に被害が出ていないかをチェックすることも大切です。

 

また、残渣からも吸汁して生きるため、残渣を通路などに放置せず、
すぐに処分した方が無難です。

 

・ハクサイダニに効果的な薬剤
ハクサイダニは、残念ながら登録のある薬剤がまだありません。

そのため、早期発見しても水で弾き飛ばしたり、
粘着テープによる捕殺による防除が中心となります。

 

晴れた日の昼間は、葉の影や土の表層付近に隠れていることが多く、
曇りの日や夕方になると出てきて、吸汁を始めます。

 

そのため、曇っている日や夕方に見回りをして、
被害がないかのチェックをしたり、捕殺をすると効果的です。

 

ハダニ類の登録がある粘着くん液剤などを使っていると、
発生が少ないという事例もあります。

 

もし発生した場合、春に土の中に産卵したものが夏を越し、
また次の冬に発生する可能性が高くなります。

 

そのため、ハクサイダニが発生した場所では、
夏の間にビニールをかぶせて熱消毒しておくことで、冬の孵化を減らすことができます。

 

■参考

・ダイコン 地植えの栽培
・ダイコン プランターの栽培
・ダイコン 袋栽培
・ダイコンの収穫時期
・ダイコンの害虫
・ダイコン 太くならない理由は?



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タグ :

ダイコン 病害虫 生理障害

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