ダイコン トウ立ちさせない
ダイコンの花の色は、白から薄い紫です
ダイコンを育てていると、いつの間にか花茎が伸びてきてトウ立ちしてしまった!
という失敗がよくあります。
ダイコン栽培では、トウ立ちすると良くないといわれていますが、
ダイコンをトウ立ちさせないためには、どうすれば良いのでしょうか。
[ダイコン トウ立ちさせない]
■ダイコン トウ立ちとは?
ダイコンに限らず、植物が花芽を作って花茎を伸ばし、
花を咲かせることをトウ立ちと呼びます。
ダイコンの場合、トウ立ちすると根がそれ以上伸びたり肥大することができません。
しかも、すでに収穫できるサイズに育っている根も、トウ立ちすることで繊維が固くなり、
スが入りやすくなります。
トウ立ちすることで、それ以上の生長がのぞめなくなる上に、食味も悪くなるのです。
紫もきれいです
■ダイコン トウ立ちさせない
ダイコン栽培では、いかにトウ立ちさせずに収穫に至れるかがカギになります。
まだ十分に根が肥っていないうちにトウ立ちすれば、
そのまま根が肥らずに終わりますし、収穫できるサイズに育っていたとしても、
トウ立ちすれば食味が悪くなって品質が落ちます。
ダイコンの根を十分に肥らせ、収穫適期になってから品質を落とさないためには、
やはりトウ立ちさせないのが一番です。
ダイコン栽培で、トウ立ちさせないためのポイントをまとめました。
・品種を選ぶ
ダイコンには、実はたくさんの品種があります。
そのたくさんある品種の中には、トウ立ちが遅いものがあります。
晩抽性と呼ばれる性質を持った品種なら、トウ立ちやス入りが遅いため、
通常よりもトウ立ちする可能性が低くなります。
晩抽性の品種には「三太郎」「サラダ大根」「春のほまれ」などがあります。
種袋に「トウ立ちがきわめて遅い」や「ス入りが遅い」「晩抽性」、
といった言葉が書かれているものは、比較的トウ立ちしにくいのでお勧めです。
・種まき時期を守る
ダイコンは、春と秋が種まきの時期ですが、品種によって春まきに向いた品種、
秋まきに向いた品種、春と秋の両方に向いた品種など、
意外と種まきの適期が変わります。
種まき適期からずれた状態で種を播くと、どうしても生育がうまくいかず、
根が肥る前にトウ立ちすることも多くなります。
種を播きたい時期が、種まき適期かどうかは、種袋に記載されています。
栽培前に必ずチェックし、適期に種を播きましょう。
見事に咲いてしまいました
・収穫は早めに
すでに根が収穫できるくらいまで育っていたとしても、収穫が遅くなったがばかりに、
トウ立ちしてしまうこともあります。
せっかく育ったダイコンが収穫できないのは、とても悔しいものです。
ダイコンがおいしいうちに収穫できるよう、早めの収穫がお勧めです。
特に春に気温が少しずつ上がっていく時期は、トウ立ちしやすい時期です。
畑に残っているダイコンがあったら、早めに収穫しておきましょう。
・高温に当てる
ダイコンは、一定の低温に当たることによって、花芽を形成します。
そしてその後、暖かい気候に触れることにより、花茎が伸びて花を咲かせます。
この花芽を形成するスイッチは、ダイコンの栽培段階のどこでも起こりうることです。
つまり、種を播いた直後であっても、収穫間近であっても、
一定の低温に当たりさえすれば、ダイコンは花芽を形成するのです。
その後、開花に適した気温になってくると、花茎を伸ばし始めるのですが、
この花芽を形成させたものを打ち消すことができる方法があります。
それが、高温に当てることです。
とても不思議ですが、ダイコンは低温に当たることで花芽を形成し、
開花適温に当たる前に高温に当たることで、花芽を帳消しにできます。
花芽をリセットできる温度は、だいたい25度以上です。
冬の間は、どうしても低温に当たることになり、
春になればそのまま開花適温となってトウ立ちします。
ここで、開花適温になる前に高温に当てるのがポイントです。
ハウスやトンネルなどを利用し、内部の日中温度が25度になるようにしておけば、
トウ立ちさせずに生育を続けさせることができます。
ただし、あまり密閉した空間では、病害虫の発生が多くなったり、
高温になりすぎて高温障害が起こることがあるので、換気は必要となります。
■参考
・ダイコン 地植えの栽培
・ダイコン プランターの栽培
・ダイコン 袋栽培
・ダイコンの収穫時期
・ダイコンの害虫
・ダイコン 太くならない理由は?