ねずみ大根

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ねずみ大根

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ねずみ大根

 

 

ねずみ大根は、長野県が原産のダイコン品種で、固定種です。

 

信州の伝統野菜として古くから愛されてきたこのねずみ大根は、
一般的なダイコンとは違った特徴があります。

 

その1つが、形です。
大根といえば、まっすぐ長く伸びた根が特徴的です。

 

ところが、ねずみ大根は根が短く、長さが20cm前後しかありません。
一般的なダイコンが40cm弱くらいになるのに対し、半分くらいの長さです。

また、短い根は肩部分よりも尻部分の方がふっくらと大きくなり、
しもぶくれのような形状となります。

 

どっしりと肥った尻部分から、ひょろりと細い根が伸びている姿が、
まさにねずみのように見えることから、ねずみ大根と呼ばれるようになりました。

 

表面の皮は、肩の部分が鮮やかなグリーンに染まり、下半分は白色です。
皮を剥くと、さらに白が濃い純白の肉色をしています。

 

葉の形も独特で、普段よく見るダイコンの葉よりも、かなり細かい切れ込みが入ります。
葉だけを切り取って遠目から見ると、水菜のようにも見えます。

 

もちろん、新鮮な状態であれば、この葉も食べることができます。

 

ねずみ大根の特徴は、見た目だけではありません。
食味にも、大きな特徴があります。

 

大根といえば、みずみずしい食感とほんのりとした甘さ、
部位によっては少し辛みはあるものの、刺激が強いということはありません。

 

ところが、このねずみ大根は、おろしにするととんでもない刺激を生みます。

 

ねずみ大根のおろしを一口食べると、じわじわと口の中に辛みが広がり、
辛みがピークに達するとヒリヒリするほどです。

 

ところが、その辛みが過ぎていくと、今度は不思議と柔らかな甘さがやってきます。
この辛さと甘さが交互にくることで、食もどんどん進みます。

 

ねずみ大根は肉質が硬めで、おろしにしても水分が外にあまり出ません。
けれど、おろしを絞れば、絞り汁が出てきます。

 

 

辛みから甘さまで堪能できるおろし蕎麦

 

 

地元長野県では、ねずみ大根のおろしの汁だけを絞り、
うどんやそばなどを浸して食べる風習があるそうです。

 

当然、おろしの汁は辛みの塊なので、最初は涙が出るほどの辛みを感じますが、
それを過ぎると甘さがやってきて、また次へと箸が伸びます。

 

この、強い辛さのあとにくる甘みのことを「あまもっくり」と地元では表現します。

 

この絞り汁に、味噌などをお好みで溶かしながら食べると、
辛みが和らいで食べやすくなるそうです。

 

栽培自体はそれほど難しくはありませんが、播種は8月~9月のみとなります。

 

また、ウィルス病に弱いため、
アブラムシなど感染源になるような害虫の防除が必須となります。

 

ねずみ大根には固定種ですが、
滋賀の伝統野菜には「山田ねずみ大根」というものがあったり、
ねずみ大根のF1種である「からねずみ」という品種もあります。

 

 

 

 

[ねずみ大根] 固定種

 

 

■特徴

 

・根の長さが20cm前後と短く、肩よりもお尻の方が肥ったしもぶくれ型です。
・ふっくらと肥ったお尻の先に、細い根が伸びている姿がねずみに見えることから、
ねずみ大根と呼ばれています。
・長野県で古くから栽培されているダイコンで、信州の伝統野菜です。
・葉は濃い緑でスラリとしていますが、特徴的な細かい切れ込みが入ります。
・表皮は肩が鮮やかな緑色となり、その下は純白です。
・肉質は硬く、おろしにしても水分があまり出ませんが、色は濃い白色です。
・辛みが非常に強いダイコンで、長野ではおろしにして絞った汁をうどんにつけて食べ、
辛みとその後にくる甘みを楽しみます。
・秋に種を播いて冬に収穫する作型が基本です。
・寒地では8月上旬~9月中旬、暖地では8月中旬~9月下旬の播種が可能で、
収穫は播種から60日くらいが目安となります。

 

 

■栽培

 

・基本の育て方は、一般のダイコンと同じです。
・ウィルス病に弱いので、アブラムシ等の防除に徹します。
・高温期の播種は生育不良の原因になるため、播種の時期には注意します。
・特徴的な辛みを引き出すため、肥料を控えめにして、
乾燥気味に管理するのがお勧めです。

 

■参考

・ダイコン 地植えの栽培
・ダイコン プランターの栽培
・ダイコン 袋栽培
・ダイコンの収穫時期
・ダイコンの害虫
・ダイコン 太くならない理由は?



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ダイコンの品種

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