辛吉大根
辛吉大根
辛吉大根(からよしだいこん)は、サカタのタネが改良して作った、辛みダイコンの品種です。
ダイコンはとてもたくさんの品種があり、辛みダイコンだけでも色々な品種が存在します。
辛みダイコン品種の多くは、根がとても短く、
中にはカブのような丸い形をしているものもあります。
辛吉大根は、辛みダイコンの中では、根が長めで円筒形をしているため、
一般的なダイコン品種の短形種のような姿をしています。
根の長さは15cm~20cm、直径が5cm~6cmとなります。
スラリとした形で、揃いが良いのも魅力的です。
見た目は青首系ですが、実際に育ててみると、
肩が緑に染まらず、全体が真っ白です。
肉色も美しい白色なので、ダイコンおろしにした時にも色がにごらず、
キレイな白のまま使えます。
ス入りや裂根といった異常の発生も少ないので、秀品率が高い品種です。
辛みダイコンの品種だけあり、肉質は硬めで水分が少なく、
ダイコンおろしにしても水っぽくなりません。
ツンとした辛味がすーっと引いた後は、ダイコンの優しい風味が口に広がります。
一般的なダイコンより、やや細身であるため、おろす時ににぎりやすいのも特徴です。
水分が少ないので、粗めにすりおろしてそばや刺身の薬味にするのにも最適です。
ダイコンには、色々な成分が含まれています。
殺菌効果の期待できるイソチオシアネート、消化酵素であるジアスターゼ、
他にもビタミンCなども含まれています。
辛吉大根は、こういったダイコンが持つ有効な成分が、
一般的なダイコンよりも多く含まれていて、機能性の高い品種となっています。
ダイコンの辛み成分は、時間が経過すると徐々に抜けていってしまい、
せっかくの辛みや風味が弱まります。
辛吉大根の辛みや風味を存分に味わうためにも、
食べる直前にすりおろすのがお勧めです。
また、辛み成分が皮の部分に多く含まれているので、
辛みを堪能したい時は、皮ごとおろすのとより辛味が楽しめます。
これだけ目立った特徴があるので、栽培が難しそうなイメージですが、
そんなことはありません。
基本的な育て方は、一般のダイコンと変わりません。
辛吉大根は、他の辛みダイコンに比べて根が長く伸びる分、葉も大きく育ちます。
けれど、葉自体は立性で、必要なスペースがそれほど広くないため、
密植栽培が可能です。
必要な株間は25cm~30cmほどなので、
地植えはもちろん、プランターなどの容器栽培にも適しています。
容器栽培ができるということで、畑を作るスペースのない家庭でも、
気軽に栽培にチャレンジできます。
辛みダイコンの多くは、秋まき栽培に適しています。
辛吉大根も例にもれず、秋まき栽培が最適な作型です。
中間地~暖地なら9月、寒地なら7月中旬~8月中旬が種まきの適期となります。
中間地~暖地の場合、収穫が12月に入ってからになる場合は、
本格的な寒さに入る前に、トンネルなどの防寒施設を設置しておくと安心です。
播種から収穫までの日数は、秋まきの適期であれば55日~65日、
寒い時期に入ってからの収穫の場合は65日~75日が目安となります。
[辛吉大根]サカタのタネ
■特徴
・根の長さが15cm~20、直径が5cm~6cmほどの辛みダイコンの品種です。
・辛みダイコンには珍しい円筒形で、肩から尻まで根全体が白いです。
・肉色も白色で、ダイコンおろしにした時にも白色が強く出ます。
・肉質は硬めで水分が少なく、
ダイコンおろしにした時も水っぽくならないのでそばや刺身の薬味として最適です。
・辛みが強い品種で、特に皮に辛み成分が含まれているので、
皮ごとすりおろすとより辛味が増しておいしくなります。
・すりおろした後、時間が経過するにつれて辛味が抜けてしまうので、
おろした後はすぐに食べるようにします。
・手でにぎりやすいやや細身の形をしているので、すりおろしやすいのが特徴です。
・イソチオシアネート、ジアスターゼ、
ビタミンCなどが通常のダイコンよりも多く含まれています。
・色が白く形も円筒形で美しく、ス入りや裂根の発生も少なく、
しかも形やサイズが揃いやすいので、秀品率が非常に高いです。
・葉は一般的なダイコンと同じくらいか、やや小さいくらいのサイズだが、
立性でコンパクトに育つので密植栽培が可能です。
・短形でコンパクトな草姿を生かし、地植えはもちろん容器栽培も可能です。
・秋まきに適した品種で、中間地~暖地なら9月、
寒地なら7月中旬~8月中旬が種まきの適期となります。
・種まきから収穫までにかかる日数は、秋の適期内であれば55日~65日、
寒さが強くなってからは65日~75日が目安となります。
■栽培
・基本の育て方は、一般のダイコンと同じです。
・密植栽培が可能な品種ですが、あまりに狭くすると生育に影響が出るので、
株間は25cm~30cmは確保しておきます。
・中間地~暖地で遅めに栽培する時は、寒さが本格的になる前に、
トンネルを設置して防寒しておくと安心です。
・プランターで育てる場合は、深さが30cm以上のものを選びます。
■参考
・ダイコン 地植えの栽培
・ダイコン プランターの栽培
・ダイコン 袋栽培
・ダイコンの収穫時期
・ダイコンの害虫
・ダイコン 太くならない理由は?