ダイコン トウ立ちの原因
トウ立ちしたダイコン、見た感じはとても綺麗です
せっかく野菜を栽培しても、収穫する前にトウ立ちしてしまい、
おいしい状態で収穫できない場合が多々あります。
トウは花を咲かせる茎の意味で、この茎が伸びたものをトウ立ち=抽苔と呼びます。
家庭菜園で人気のダイコンも、トウ立ちして収穫できなかったという失敗が多い野菜です。
なぜ収穫前にトウ立ちしてしまうのでしょうか。
[ダイコン トウ立ちの原因]
■ダイコン トウ立ちの原因
ダイコンがトウ立ちしてしまうのには理由があります。
ダイコンがトウ立ち、つまり花芽を形成してそれを生長させるようになるには、
スイッチが必要となります。
そのスイッチに役割をしているのが、温度です。
ダイコンは一定の期間低温に当たることによって、
花芽を形成するスイッチを入れることができます。
低温に当たった後、小春日和の暖かい気温になると、
形成した花芽を生長させてトウ立ちしてしまいます。
この低温というのは、だいたい12度以下を指すようです。
晩夏~初秋に種を播いたダイコンは、
そのまま自然と12度以下の気温に当たるようになります。
低温のうちに収穫してしまえばトウ立ちせずに済みますが、
暖かい日が出てくると、トウ立ちを開始してしまいます。
春播きではこの現象が出やすいことが多いです。
春先は気温が安定せず、暖かいや寒い日が交互にやってきます。
この時、低温に当たったダイコンは、根を肥らせる前にトウ立ちを始めてしまうのです。
ダイコンは、生長のどの段階でも花芽を形成してトウ立ちができる野菜です。
トウ立ちしてしまうと、葉や根の食味が悪くなるだけでなく、根の生長が止まってしまいます。
いかにトウ立ちのスイッチを入れないかが、ダイコン栽培でのカギになってくるのです。
葉や根の食味が悪くなり、根の生長が止まります
■ダイコン トウ立ちを防ぐ
ダイコンがトウ立ちする原因が分かったら、次は予防法です。
トウ立ちするのを防ぐことができれば、
立派に育ったダイコンを収穫するのも夢ではありません。
・晩抽性の品種を選ぶ
ダイコンの品種は非常にたくさんあります。
その中でも「晩抽性」と書かれている品種を選ぶのがお勧めです。
トウ立ちは抽苔とも呼ばれています。
晩抽性とは、つまりトウ立ち(抽苔)する時期が遅い性質を持った品種、
ということになります。
できるだけトウ立ちを遅らせることができれば、その分ダイコンも育てやすくなります。
・栽培時期に合った品種を選ぶ
ダイコンは厳寒期と真夏を避けて、比較的どの季節でも育てられる野菜です。
ところが、品種選びを間違えると、トウ立ちしやすくなることがあります。
ダイコンは大きく分けて、秋に種を播いて冬に収穫する秋播き品種と、
春に種を播く春播き品種があります。
種袋には、その品種に合った作型が記載されているので、
必ず確認してから種を播くようにしましょう。
・種まきの適期を守る
様々な品種があるダイコンですが、種まきの適期は決まっています。
適期から大きくはずれて種まきをすると、栽培環境(気温など)が合わなくなるため、
トウ立ちの可能性が高くなります。
栽培時期に合った品種を選ぶのと同じように、
種袋に記載されている種まきの時期を、必ずチェックしておきます。
種まきの時期は、必ず守りましょう。
ダイコンの花の群生
・高温に当てる
低温に当たったダイコンも、裏技を使うことで、
トウ立ちのスイッチをリセットすることができます。
それが、高温に当てる方法です。
低温に当たった後、暖かい気温になるとトウ立ちを始めますが、
逆に25度前後の高温に当てると、
一度入ったトウ立ちのスイッチがリセットされるという性質があります。
そのため、冬播きや春播きのダイコンを栽培する時には、
マルチやトンネルなどを利用し、日中の気温を上げる工夫をすることで、
トウ立ちせずにしっかり育てることができます。
ただし、日中の気温が高くなりすぎると、
今度は高温すぎてダイコンが育たなくなるので、適度に換気するようにします。
特に気温の上がりやすい春は、注意が必要です。
換気用の穴が空いたビニールでトンネルをしていても、
日中はこもって高温になりすぎることがあります。
気温の上がりやすい日中は、トンネルの裾を上げて換気をし、
夕方になる頃に下ろして気温低下を抑えるのが良いでしょう。
■参考
・ダイコン 地植えの栽培
・ダイコン プランターの栽培
・ダイコン 袋栽培
・ダイコンの収穫時期
・ダイコンの害虫
・ダイコン 太くならない理由は?