ダイコン 台風対策
台風の強風で、作物がなぎ倒されます
ダイコンは、春と秋に種を播いて育てる作型が多いですが、
秋まき栽培で気になるのが、台風の存在です。
台風がくるのは夏のイメージが強いですが、
9月まで台風がやってくる可能性が高いです。
近年の異常気象で、10月も気が抜けません。
秋はダイコン栽培の時期ですが、
台風対策はどのように行えば良いのでしょうか。
[ダイコン 台風対策]
農業用不織布 べたがけトンネル資材 パオパオ90 C)農家のお店おてんとさん
■ダイコンの台風対策は？
台風が多くなる8月～9月は、ダイコンの種まきシーズンとダブります。
種を播いた直後の畑や、小さな芽がようやく出た状態、
また少し育って葉数が多くなってきた頃、
台風被害が大きいと、ほとんどの株が傷んで育たないこともあります。
台風被害の多くは、暴風による折れや葉の傷み、大雨による病気感染などです。
時期が早ければ播きなおしも可能とはいえ、
被害を少なく抑えることができれば、その後の生育遅れも回避できます。
台風がきそうな時はもちろん、台風を意識した管理をしておくと安心です。
・播種直後
種を播いた直後は、芽も出ていないので、暴風だけならば特に心配はいりません。
ただ、大粒の雨が地面を叩きつけるような大雨の場合は、
種にかぶせた土が削られ、溜まった水が流れて、
種も一緒に流れる可能性が出てきます。
種が流れる不安がある場合は、畝の表面が雨で叩かれないよう、
ビニールマルチか不織布をべたがけをしておくと良いでしょう。
台風が通りすぎる間だけ、穴のあいていないビニールマルチをかぶせておけば、
雨が土を叩くことはありません。
また、透明のビニールマルチを利用すれば、明るさを取り込めるので、
発芽にも影響が出にくくなります。
通気性の不安が残る場合は、不織布などをかぶせるのがお勧めです。
目が細かいので土が流れることがなく、かつ通気性も確保できます。
防風ネット C)MEGA STAR
・防風ネット、不織布のべたがけ
防風ネットや不織布をべたがけすることで、
風によって地上部が荒れて葉を傷めたり、首が折れたりする心配がありません。
まだ芽が出て間もない、小さな状態であれば、
不織布のように目の細かいネットを利用します。
すでに葉数が増えて草丈も出てきている場合は、
暴風ネットのように少し目が粗いものでも良いでしょう。
ネットや不織布を利用する時は、暴風に煽られてネット類が飛ばされないよう、
重石をしておきます。
ネットや不織布の端はU字ピンやペグで留めたり、土をかぶせておきます。
条間にレンガや石、重さのある長い支柱や竹、枝などを置いておくと、
ネットや不織布の中央が浮いてくることもありません。
・土寄せ
ネットの準備が間に合わない場合は、土寄せが最も簡単にできる台風対策です。
芽が出て間もない株や、葉数が少ない株は、数日で地際から葉までの間が伸びます。
この首の部分はとても細くて弱いため、台風の時でなくても、
強風に煽られて折れることが少なくありません。
台風がくると分かったら、土寄せを行って首のぐらつきを止めておきましょう。
風で煽られるのを防いでおけば、首が折れにくくなりますし、
葉がすれて傷むことも少なくなります。
>>ダイコン 土寄せ
もみ殻を株本に敷くだけでも茎を補強し泥はねを防ぎます
・ワラ、もみ殻などのマルチ
土寄せだけでは不安な場合や、まだ間引きが完全に終わっていない場合、
土寄せに慣れていない場合は、ワラやもみ殻などのマルチを利用しましょう。
ワラやもみ殻マルチは、ネット類の準備も不要で適度な通気性や排水性もあるので、
栽培初期にはお勧めの方法です。
土寄せと同じ要領で、株元を隠すようにワラやもみ殻などを敷き詰めていきます。
ワラの場合、風によって飛ばされる可能性があるので、
紐などを使って押さえておきましょう。
土の上にワラやもみ殻を敷くことによって、
雨が降った時に泥の跳ねあがりを防ぐこともできます。
ダイコンは、泥の跳ねあがりによって病気に感染したり、葉が傷みます。
地上部の葉が傷むと、可食部となる根の生長にも影響するので、
できるだけキレイに残しておく必要があります。
また、葉が傷み、べと病など厄介な病気にかかると、
それだけで収量が激減するので、注意してください。
■参考
・ダイコン 地植えの栽培
・ダイコン プランターの栽培
・ダイコン 袋栽培
・ダイコンの収穫時期
・ダイコンの害虫
・ダイコン 太くならない理由は？
