ダイコン ホウ素欠乏
ダイコン栽培は、素人には少し難しいイメージがあります。
けれど、品種選びや栽培中の管理の注意点を守れば、特別難しくはありません。
ただ、栽培中に必要な要素が不足していれば、何らかの不調が出ます。
要素の中でも、ホウ素が足りない状態になると、ホウ素欠乏になります。
ダイコン栽培中にホウ素欠乏になると、ダイコンにはどのように影響するのでしょうか。
[ダイコン ホウ素欠乏]
■主な症状
・根の生育不良
ダイコンがホウ素欠乏になると、根の部分が生育不良になります。
ダイコンの根は、収穫目的の場所となるため、この部分が生育不良になれば、
収量が減る原因になります。
ダイコンも品種が色々あり、品種によって根の長さや太さ、形が変わります。
一口に生育不良といっても、
小さく育つ品種が小さいまま収穫されるのは普通のことです。
けれど、ホウ素欠乏になったダイコンは、
その品種の特性よりも小さく、ひょろっとした状態に育ちます。
根の肥大が悪くなるほか、全体的な形がいびつで悪くなったり、
表面の皮の状態が悪く、肌荒れしたような状態になることもあります。
肌荒れがひどい場合には、表面に亀裂が入ることもあります。
また、表面だけでなく、内部にも症状が出ることがあります。
本来はみずみずしい肉質のはずが、水分が少なくカサカサとしていて、スが入ります。
さらには、中心に近い部分が、褐色になることもあります。
変色の範囲は程度によって変わりますが、芯に近い部分が変色します。
芯が茶色く変色するため、褐色芯腐れ症と呼ばれることもあります。
■主な原因
・土の酸度と乾燥
ホウ素は少し気難しいところがあります。
ホウ素が足りなければ生育に影響が出ますが、
多すぎても過剰状態となり、生育に影響します。
ホウ素は土に含まれていますが、土の酸度によって、
吸収されやすい状態とされないくい状態とに分かれます。
土が酸性に傾いていると、ホウ素が溶け出しやすくなるため、吸収量が増えます。
反対にアルカリ性に傾いていれば、不溶化しているため、吸収量が減ります。
一般的には、酸性に傾いていれば、吸収されやすい状態となるため、
欠乏になることは少ないです。
ところが、酸性の土に溶け出した時に、長雨や大雨によって多量の水分が含まれると、
水分と一緒にホウ素も流亡することがあるのです。
こうなると、土が酸性に傾いていたとしても、欠乏の症状が出ます。
また、土の中に吸収できる状態のホウ素が含まれていたとしても、水分が不足して
過乾燥の状態が続くと、吸収できずに欠乏症状が出ます。
■対策
・まずは土の調整から
土がアルカリ性に傾いていると、ホウ素が含まれていても吸収しにくい状態となります。
栽培前の土作りの段階で、多量の石灰類などを施用していると、
アルカリ性になって不溶化が進むので、控えるようにします。
できれば、一度土の酸度を計測し、それに合わせて調整しましょう。
また、栽培中は、地上部の葉や地下の根の生育を促すためにも、過乾燥は避けます。
ダイコンは乾燥するとホウ素欠乏だけでなく、
そのほかの不調も出やすくなるので、注意が必要です。
■判断基準
ホウ素欠乏となったダイコンは、収穫までこぎつけても根が短かったり細かったりして、
可食部が減ります。
また、内部の乾燥やス入り、褐色の変色などがあれば、可食部が減ります。
ホウ素自体は補給できる要素ですが、
あまり多量に与えると過剰症状が出るので、施用量などには注意しましょう。
■参考
・ダイコン 地植えの栽培
・ダイコン プランターの栽培
・ダイコン 袋栽培
・ダイコンの収穫時期
・ダイコンの害虫
・ダイコン 太くならない理由は?