ダイコン 葉枯れ症
ダイコンを育てた時、何も問題なく生長するのが一番ですが、
どうもうまくいかないこともあります。
病害虫をはじめ、養水分不足による生理障害など、
ダイコンに起こる不調も色々あります。
その中でも、葉枯れ症と呼ばれる生理障害は、少し厄介です。
ダイコンの葉枯れ症とは、どのようなものなのでしょうか。
[ダイコン 葉枯れ症]
■主な症状
・葉の変色と枯死
葉枯れ症の主な症状は、葉にあらわれます。
最初は、葉の縁の変色から始まります。
本来は緑色をしているダイコンの葉が、黒っぽい濃い紫色になっていきます。
発生初期の頃は、葉の縁のみが変色しますが、
症状が進むにつれ、変色の範囲も広がります。
その後、変色の範囲が広がっていくと、葉脈間にも変色が広がります。
葉脈間が変色する時は、黒紫というよりも、灰褐色になることが多いです。
変色部分が広がった後は、最終的に葉が枯死します。
症状が発生する葉は、全体の中でも中位~下位の葉で、
上位の葉にはあまり見られません。
また、夏ダイコンの栽培中に発生しやすい、といわれています。
■主な原因
・リン酸過剰
ダイコンを栽培している土が砂土で、しかもリン酸が多い状態になっていると、
リン酸過剰が起こります。
リン酸過剰になると、そもそも土に含まれている養分のバランスが悪い状態です。
そのような状態でダイコンを栽培すると、
ダイコンが吸収する養分のバランスも悪く、葉枯れ症の症状が出ます。
・暑さ
ダイコン栽培の中でも、特に夏播きダイコンに発生が多いのは、
高温でも葉枯れ症が発生しやすくなるためです。
ダイコンは、どちらかというと涼しい気候を好みます。
ダイコンにとって暑い日が続くと、根の活動が緩慢になり、養水分の吸収も悪くなります。
■対策
・高温を避ける
ダイコンの栽培中は、できるだけ高温を避けるようにしましょう。
夏播きダイコンの場合、播種の時期がどうしても暑い時期と重なります。
残暑が厳しい年などは、涼しさを感じるまで待ってしまうと、
今度は栽培期間の確保が難しくなります。
暑さを軽減するための工夫をしておくことで、
適期に播種しても障害を起こしにくくできます。
まずは、風通しの良い場所を選ぶことです。
次に、寒冷紗や遮光ネットを使い、強い直射を避けることです。
これだけでも、かなり効果が期待できます。
・品種選びと施肥管理
ダイコンの品種もたくさんあり、
その中には葉枯れ症に強い性質を持ったものもあります。
そういった性質の強い品種を選ぶことでも、葉枯れ症の発生を軽減できます。
また、リン酸過剰による葉枯れ症を予防するために、
施肥計画もきちんと行いましょう。
■判断基準
葉が濃い黒紫色や灰褐色に変色すると、
病気にかかったように見えますが、実は葉枯れ症という生理障害です。
放っておいても、全体が完全に枯死することは少ないですが、
あまり良い状態とはいえません。
品種選びや暑さ対策、施肥計画など、
事前に行える対策を実践し、あらかじめ予防しておくことが大切です。
■参考
・ダイコン 地植えの栽培
・ダイコン プランターの栽培
・ダイコン 袋栽培
・ダイコンの収穫時期
・ダイコンの害虫
・ダイコン 太くならない理由は?