ダイコン ヨトウムシ
ハクサイに群がるヨトウムシ
ヨトウムシの被害
ダイコンにつくと面倒な害虫に、ヨトウムシがいます。
ヨトウムシは、夜盗虫という漢字をあてている通り、
夜間に食害することが多い害虫です。
トウムシの特徴や、防除方法などをご紹介します。
[ダイコン ヨトウムシ]
■害虫について
ヨトウムシは、ダイコンの葉を食害する虫ですが、食害するのは幼虫の頃だけです。
ヨトウムシと呼ばれていますが、これは本名ではありません。
本来はヨトウガと呼ばれる蛾の一種です。
ダイコンにつくヨトウムシは、ヨトウガとハスモンヨトウの2種類です。
どちらも幼虫も成虫も良く似ていますが、
幼虫の方は頭の後ろに斑点があるかどうかで見分けることができます。
いずれにしても捕殺対象となるので、
わざわざ見分けられるようになる必要はありません。
ただ、薬剤を使用して防除する場合は、
ヨトウガかハスモンヨトウどちらかにしか効果がない場合が多いので、
どちらによって被害が出ているのかを知る必要は出てきます。
ヨトウムシ
・見分け方
ヨトウムシは成虫が葉の裏側などに卵を産み付け、
孵化した幼虫が葉を食害していきます。
卵は塊で産み付けられるので、比較的見つけるのは容易です。
ヨトウガの方は卵が淡い黄色に見え、ハスモンヨトウの方は、
卵塊の表面に濃い黄色~黄土色の産毛がびっしりと生えている、
特徴から見分けることができます。
孵化して幼虫となり、葉を食べながら生長していきます。
最初は明るい黄緑色をしていた幼虫も、
いつの間にか黒っぽい茶色になっていることがあります。
茶色くなるか緑のままかは、種類の差ではなく個体差であることが多いようです。
ヨトウガの卵
・発生時期
発生するのは春と秋がメインですが、
涼しい地域では6月~10月まで断続的に発生します。
成虫がどこからやってくるかは分からないので、
栽培初期から卵を産み付けられないよう、予防策をとっておく必要があります。
また、ヨトウムシはダイコン以外の野菜や草花も広く食害するので、
周りに食害されている植物がないかもチェックしておくようにします。
■被害の出方
ヨトウムシは、成虫がダイコンの葉の裏などに卵を産み付け、
その卵が孵化すると幼虫が葉を食べるようになります。
卵を一か所に固めて産み付けるため、孵化し始めると団体で食害を開始します。
若齢の頃は団体で行動することが多いため、
食害も一か所に固まることが多いのが特徴です。
幼虫がしだいに育ってくると、集団行動から個別行動に変わっていきます。
個別行動をするようになると、
夕方以降の暗くなってくる時間帯に行動時間も変化していきます。
昼間は土の表面近くに隠れて休んでいることが多いため、
ダイコンの食害がひどくなってきた頃に本体を探そうとしても、
なかなか見つけられないことがあります。
葉に大きな食害の痕があったり、糞があるにも関わらず、
本体がどこにも見つからない場合は、探す時間帯を変えてみてください。
日が暮れる少し前、夕方頃から動き出すことが多いので、見つけやすくなります。
暗い時間帯でも探すことは可能ですが、視界が暗く見つけにくいこともあります。
ヨトウガ
■防除方法
まずは卵を産み付けさせないように、ダイコンの周りをネットで覆うようにします。
種まきの直後に防虫ネットなどを設置しておきましょう。
網目のサイズは、成虫が通り抜けられないくらいのサイズなら問題ありませんが、
他の害虫を防除することも考え、細かい目の方が効果的です。
ネットをかけていても、なぜか卵を産み付けられることがあります。
ネットをしていなければ、産卵される可能性がさらに高くなります。
時々、ダイコンの葉の裏をチェックして卵がないかを見るようにします。
卵塊を見つけたら、卵を潰して駆除しておきましょう。
すでに孵化している状態であっても、まだ集団行動をしているうちなら、
まとめて駆除することも可能です。
幼虫が固まっている場所だけをちぎり、処分しましょう。
・ヨトウムシに効果的な薬剤
すでに幼虫が大きくなっている場合や、
育てているダイコンの株数が多い場合は、薬剤を使うと効果的です。
ヨトウガとハスモンヨトウでは、登録されている薬剤が異なる場合が多いので、
どちらに効くのかを調べておくようにしましょう。
ヨトウガの場合は、プレオフロアブルやディアナSCなどが使えます。
ハスモンヨトウの場合は、ゼンターリ顆粒水和剤が使えます。
■参考
・ダイコン 地植えの栽培
・ダイコン プランターの栽培
・ダイコン 袋栽培
・ダイコンの収穫時期
・ダイコンの害虫
・ダイコン 太くならない理由は?