ダイコン 裂根
裂根したダイコン
ダイコン栽培は、収穫するまで地下の根がどのようになっているのか分かりません。
そのため、収穫する時が一番の楽しみでもあり、緊張の時でもあります。
収穫したダイコンが、無事に生長していれば嬉しいですが、
必ずしも正常な状態とは限りません。
中には、根に異常が出ているダイコンが収穫される場合もあるのです。
収穫したダイコンの根が割れている状態を、裂根(れっこん) と呼びます。
ダイコンに裂根が出る原因とは、いったい何なのでしょうか。
[ダイコン 裂根]
■主な症状
・根に亀裂が入る
裂根の主な症状は、根に亀裂が入ることです。
割れて中が見えるので、亀裂が入った部分に土などが入り、衛生面でも影響が出ます。
亀裂は、根のどの部分にも入る可能性があります。
葉に近い上部が割れれば肩割れ、先端に近い部分が割れれば尻割れ、
縦方向に割れれば縦割れという風に呼び方が変わりますが、症状としては同じです。
■主な原因
・水分過多
裂根が起こるほとんどの場合の原因が、水分過多によるものです。
特に、根が肥大する時期に水分が多い状態になると、
根に多量の水分が流れ込み、肥大スピードが速まって割れやすくなります。
また、乾燥した状態が続いた後、急激に水分が入った時にも、
割れが起こりやすくなります。
長らく雨が降らず、土が強く乾燥しているところに多量の雨が降ったり、
乾燥に気づくのが遅れて慌てて水やりをすると、
根に水分が急激に流れ込み、割れます。
・異物、虫
裂根の原因の多くは、水分過多によるものです。
けれど、水分過多以外にも、土の中の異物や虫が原因になることもあります。
根が生長する時や肥大する時に、異物が近くにあると、
根が異物に当たることで、割れやすくなります。
■対策
・水管理
ダイコンは、根に多く水分を溜めて肥大させます。
けれど、栽培中の無理な水やりは禁物です。
必要以上の水分が土に含まれた状態が続くと、どうしても過湿となります。
過湿になると、水分過剰で根の肥大が促進されすぎてしまい、裂根が起こります。
また、裂根が起こらなくても、根腐れや根傷みといった不調が出ることがあるので、
水分管理にはくれぐれも注意しましょう。
また、雨が長らく降らない時も、注意します。
ダイコンは涼しい時期に栽培することが多いため、水切れに気づくのが遅れがちです。
こまめに見回りをして、病害虫が発生していないかなどをチェックするとともに、
土が乾いていないかも見るようにします。
翌日の天候に関わらず、土が乾燥していると感じたら、水やりを行いましょう。
特に畑で地植え栽培をしていると、水やりが遅れやすくなるので、気を付けましょう。
・水もちの良い土作り
水管理に注意していても、土自体があまりにも水もちの悪い状態だと、
すぐに乾燥して裂根が起こりやすくなります。
ダイコン栽培では、水はけと水もちの両方が良好な土が最適です。
普段の土作りでも、栽培に適した土作りを心掛けましょう。
■判断基準
ダイコンが裂根する原因は、水分過多によるものです。
けれど、時によって土中の異物が原因となることもあります。
土中の異物は、股根などの原因にもあるので、
栽培前の土作りの段階で、取り除いておきましょう。
■参考
・ダイコン 地植えの栽培
・ダイコン プランターの栽培
・ダイコン 袋栽培
・ダイコンの収穫時期
・ダイコンの害虫
・ダイコン 太くならない理由は?