ダイコン 赤芯症
ダイコンは、家庭菜園でも近日とても人気です。
収穫まで地下の根がどうなっているのかが見えないため、収穫の時にはドキドキします。
収穫したダイコンがまっすぐでキレイな状態だと、とても嬉しくなります。
ところが、表面上は問題がないように見えても、
切ってみると内部に異常が出ていることもあるのです。
ダイコンには、赤芯症(あかしんしょう)という生理障害があります。
この赤芯症とは、どのような生理障害なのでしょうか。
[ダイコン 赤芯症]
■主な症状
・内部の変色
ダイコンが赤芯症になると、根の内部に異常が出ます。
表面上は特に異変がなく、問題がないように見えますが、
根の中心部分が、淡い黄褐色や赤褐色に変色する症状が出ます。
変色した部分は、芯を中心に周りににじんだようになり、
場合によっては変色部分の水分が極端に少ないこともあります。
水分が少ない部分は、肉質もカスカスで、
亀裂が入ったり空洞ができる場合もあります。
程度がひどい場合は、根全体が変形することもあります。
■主な原因
・地温の高さ
赤芯症が発生する原因の1つに、高温があります。
特に、地温が高い状態が続くと、赤芯症の発生が増えます。
・ホウ素やリン酸の不足
赤芯症の原因として大きく関わってくるのは、地温だけではありません。
ダイコンが生育する時に必要となる、ホウ素やリン酸が不足しても、
赤芯症の発生が多くなります。
これは、ホウ素欠乏やリン酸欠乏が生育に影響することで、
根の内部にポリフェノールが蓄積して、変色するといわれています。
土質にも色々ありますが、中でも黒ボク土壌ではリン酸が欠乏しやすいため、
赤芯症も発生しやすい傾向にあります。
■対策
・品種選びと栽培環境
ダイコンの品種の中には、赤芯症が発生しやすいものと、そうでないものがあります。
「夏の守」などは、赤芯症が発生しにくい品種の代表的存在です。
ダイコンを栽培すると、赤芯症が発生しやすい傾向にある場合は、
こういった発生が少ない品種を選ぶようにしましょう。
また、高温期に地温が高くなりすぎることも、赤芯症の原因です。
栽培中、地温が高くなりそうな場合は、マルチを利用するなどして、工夫しましょう。
・栄養分の補給
品種を変えても、毎回赤芯症が発生する場合は、
土の状態に問題があるかもしれません。
ホウ素やリン酸が慢性的に不足している可能性もあるので、補給をしましょう。
リン酸やホウ素の入った資材を土作りの段階で施用し、
土とよく混ぜて栽培をスタートさせます。
リン酸は、過リン酸石灰が効果的です。
このことから、カルシウムやイオウも赤芯症に関係すると考えられていますが、
はっきりとは解明されていません。
■判断基準
赤芯症の症状が出たダイコンも、食べられないことはありません。
変色した部分も、変質していなければ、食味はほとんど変わりません。
ただ、色がついているとどうしても商品価値が下がるので、
農家としては大打撃を受けます。
発生原因が不明でのケースもありますが、できる対策は行いましょう。
■参考
・ダイコン 地植えの栽培
・ダイコン プランターの栽培
・ダイコン 袋栽培
・ダイコンの収穫時期
・ダイコンの害虫
・ダイコン 太くならない理由は?