ダイコン モザイク病
モザイク病の初期症状
ダイコンがかかりやすい病気に、モザイク病というものがあります。
ダイコン以外の野菜や草花でも感染が見られる病気ですが、
モザイク病は、いったいどのような症状が出るのでしょうか。
また、感染した時に何か対策はあるのでしょうか。
[ダイコン モザイク病]
■モザイク病の症状
モザイク病に感染した時、症状が出やすいのは葉です。
栽培中は地下にある根の部分が見えないということもあり、
感染しているかどうかは、地上にある葉の方が分かりやすいのが特徴です。
・初期症状
感染後、初期に出る症状としては、葉色が薄くなります。
この時、全体が均等に薄くなるのではなく、
まだらっぽく薄くなるのがモザイク病の特徴です。
モザイク病のキュウリ
症状が進むと、このモザイク症状が強くなってきます。
葉に出る症状には、モザイク柄になる他、
葉の縁が細かく縮れてちりめん状になったり、新葉が委縮するといったものがあります。
地下にある根に出る症状としては、肥大せずに小さいままであることが多いです。
他には、稀に根の表面にコブのようなものが出ることがあります。
いずれの症状が出た場合でも、栽培初期に感染した株は生育が悪く、
途中で枯死することも少なくありません。
なんとか収獲までこぎつけた株も、生育不良によって根は肥大せず、収量は激減します。
■モザイク病の原因
モザイク病は、汁によって感染することがあります。
モザイク病はダイコンだけの病気ではなく、その他の野菜などもかかる病気です。
そのため、ダイコン以外の植物の汁による感染もあります。
けれど、感染の原因として最も多いのが、アブラムシによる媒介です。
モザイク病に感染した植物の汁を吸ったアブラムシは、
モザイク病の病原菌を持った状態となります。
そのアブラムシがダイコンに寄生して吸汁することで、
そのダイコンにモザイク病が感染する可能性がとても高くなります。
ダイコンはアブラムシの被害を受けやすい野菜なので、
特にアブラムシからの媒介の危険性が高くなります。
■モザイク病の対策
現在、モザイク病感染後に効果のある薬剤は、残念ながらありません。
そのため、モザイク病を防除するためには、
感染源となるものを寄せ付けないようにすることが重要となります。
観察を怠るとアブラムシがびっしり付いてしまいます
・アブラムシ対策
モザイク病に感染する大きな原因となる、アブラムシを寄せ付けないようにします。
ダイコンはタネから育てることがほとんどのため、直播きをして育てます。
タネを播いた直後は、地上に芽も出ていないため、
防除は不要なように感じますが、アブラムシは発芽直後から寄ってきます。
特に春と秋は、羽のついた状態のアブラムシが発生し、
どこからともなくやってくるため、注意が必要です。
小さな芽の状態でアブラムシの被害を受ければ、
そのまま弱って枯れてしまうこともありますし、
なんとか育ったとしても、モザイク病に感染してしまっては育つことができません。
アブラムシを寄せ付けないようにするためには、
種まき直後からのネット使用が効果的です。
不織布などを使ってべたがけにすれば、土の乾燥も予防することができます。
また、防虫ネットを利用してトンネルを作っておけば、
ある程度ダイコンが生長するまでは、そのままでも管理することができます。
マルチ栽培を行う時には、シルバーラインの入ったものや、
表面が銀色のマルチを利用すると、アブラムシを忌避することができます。
アブラムシを防除する方法を、複数併せて実践すれば、さらに効果が高くなります。
発芽後、新芽付近や葉の裏などにアブラムシがいないかを、
こまめにチェックすることも大切です。
アブラムシの数が少ないうちに見つけることができれば、
粘着テープなどを使って、簡単に駆除することができます。
・モザイク病に耐性をもった品種
ダイコンにはたくさんの品種があります。
中には、モザイク病に耐性のあるものもあります。
「徳誉」「福誉」「秋みね」などが、
モザイク病に耐病性を持った品種となっています。
この他にも、モザイク病に抵抗性や耐病性を持った品種はあるので、
品種選びの際に注目してみると良いでしょう。
■参考
・ダイコン 地植えの栽培
・ダイコン プランターの栽培
・ダイコン 袋栽培
・ダイコンの収穫時期
・ダイコンの害虫
・ダイコン 太くならない理由は?